『LOVE理論』水野敬也

溺れる者は藁をも掴むという。私はこのような恋愛マニュアル本に付箋を貼りながら読んでいる自分に気付いて、ああ自分は溺れかけているのだと思った。 LOVE理論 作者: 水野敬也 出版社/メーカー: 文響社 発売日: 2013/12/14 メディア: 単行本(ソフトカバー…

『居心地の悪い部屋』岸本佐知子 編訳

昔から、うっすら不安な気持ちになる小説が好きだった。読み終わったあと見知らぬ場所に放り出されて途方に暮れるような、なんだか落ち着かない、居心地の悪い気分にさせられるような、そんな小説。(編訳者あとがきp.181) 居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4…

『さよなら妖精』米澤穂信

学生時代を思い出して切なくなるいい青春小説だった(記憶改ざん済み)。 さよなら妖精 (創元推理文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2006/06/10 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 254回 この商品を含むブログ (283件) を見る あ…

『大人のための文章教室』清水義範

体系的な文章のトレーニング本ではなく、著者の実体験から得た文章に関する知識を並べていったような本だった。そのため、話の内容は全体的に散漫な印象を受けたが、なるほどと思わせられる説得力のある話も紹介されていたりして、意外とおもしろかった。 大…

『高い城の男』フィリップ・K・ディック

「われわれはみんな虫けらだ。なにか恐ろしいもの、それとも神々しいものに向かってうごめいている虫けらだ。そう思わんかね?」(p.163) 高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明(ポジトロン),浅倉久志 出版社/メーカー:…

『昆虫はすごい』丸山宗利

ブラジルの洞窟に生息するトリカヘチャタテというカジリムシ目の昆虫では、雌に陰茎状の器官があり、それを雄の膣状になった交尾期に挿入し、精包を吸い取る(p.85) 等の昆虫の不思議で多様な生態が、「狩り」「生殖」など項目に分けて数多く紹介されており…

『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF) 作者: フィリップ・K・ディック,友枝康子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1989/02 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (113件) を見る 先の展開が読めなくて、次はどうなる…